動体視力 らいよんチャンネル

動体視力

自分にあった動体視力を探すページ

マスコミが絶対に書かない動体視力の真実

まんまみーあ!

結局真夜中に京都着いてそのまま大乱闘スマッシュファミリーズしてしまった。まじふぁっく。わざわざ足を運ばせてごめんねと沢田が生八つ橋奢ってくれたけどそんなんじゃ全然労力に見合ってないんだから。最近の生八つ橋はイチゴとかバナナとかあるのね。大変美味しかった。

俺が怒濤の数日を過ごしているうちにE組の方でも一悶着あったらしい。噂に聞いていたかの堀部イトナくん、登校するようになったんだってさ。触手が云々って聞いたけどよく分からない。京都への往復による疲労が回復していない。正直今日も風邪ってことで休みたかった。

「おはよ、ミシェーレさん」

「おはようございます、カルマさん」

「風邪はもういいの?」

「ええ、お陰さまで。遅れた分の勉強取り戻さなくては」

「ミシェーレさん勉強しなくても結構出来てるじゃん」

「いえいえ、私なんて全然です。もっと頑張らないとです」

「真面目だねぇ」

久し振りの学校、お馴染みの教室。一つ違うのは、今まで空席だった隣の席に座る誰かがいると言うことだ。

「おはようございます、イトナさん」

「・・・誰だ?」

「イトナの後に転入してきたソフィー・ミシェーレさんだよ。フランスから来た殺し屋だって」

「(カルマさんナイスアシスト~)お会いするのは初めてですね。よろしくお願いします」

「・・・違う」

「え?」

「お前は、違う。そう言うタイプじゃない。何で猫を被ってるんだ?」

「・・・、どういう」

「触手があった頃の名残で、ある程度の強さは見れば分かる。お前はもっと強い。でも今は弱そうに振る舞ってる」

「イトナ、それマジ?」

「マジだ」

「・・・どういうこと、ミシェーレさん?」

なんて事だ。俺の幻術による変装が見抜かれた?いや、振るまいに違和感があったのか。完璧なゆるふわ美少女を演じていたと思ったのに。
そう言えば、先日烏間先生も俺、というよりソフィー・ミシェーレの事を探っていたようだ。もちろんそんな人物は存在しないから適当に作り上げたプロフィールぐらいしか出てこなかっただろうけど。

幻術を見抜く、あるいは違和感を感じることが出来る。触手の後遺症とは言えもしかしてこのイトナと言う少年には術士の才能があるのかもしれない。同士は幻術を見抜くことに長けている。

朝の賑わいの中でイトナとカルマの視線のみがこちらに向けられている。疑うような、警戒するような。
むぅ、まさかこんなに早く露呈してしまうとは。俺もまだまだ未熟だな。マーモン先輩に知られたら小言言われそうだから内緒にしておこう。

「Mamma mia. 君の目は大したものだな」

「!ミシェーレさん、話し方が・・・」

「君の言う通りだイトナくん、本来の俺は確かに”こう”ではない。猫を被っている」

「目的はなんだ?殺せんせーを殺すために無害そうな生徒の振りをして潜入したのか?」

「それも仕事の一端ではあるが本来の目的ではないな。君達の先生の暗殺に重きを置いた任務ではない」

「・・・?じゃあ、何で」

遮るように教室の扉が開いた。殺せんせーと烏間先生、あ、今日はイリーナ先生もいる。朝のHRの時間だ。
訝しげにしながら口を継ぐんだカルマくんとイトナくんを他所に出席確認が始まる。最後に呼ばれたソフィー・ミシェーレはちゃんとお返事をしましたとも。ええ、そんな人物はどこにもいないのだけれどね。

「ソフィーさん、風邪が治ったんですね。顔色も良いようで何よりです」

「ありがとうございます殺せんせー。でも私、お詫びしなければなりません」

「?何をでしょう?」

「風邪じゃなかったんです」

「へ?」

「私が、学校をお休みした理由。いえいえ、それどころかソフィー・ミシェーレですらないのですから、まずはそこからお詫び申し上げなければなりませんね」

「・・・どういう事だミシェーレ。君は、防衛省からの依頼でこいつを抹殺しに来た殺し屋ではないのか?」

「依頼を受けたと言う点では合っています。しかし依頼主は防衛省ではありません。烏間先生、私の情報をかき集めてみて如何でした?何か面白いこと、分かりましたかしら」

「君の・・・ソフィー・ミシェーレという人物の簡単なプロフィールは確認できた。だがそれだけだ。どのような遍歴であるのかも、どういうきっかけでこの任に着いたのかも不明瞭なままだ。探りきれなかった」

「えっ・・・それどういうこと、烏間先生?」

「ソフィー・ミシェーレって人物は存在はしてるけど・・・それは彼女じゃなく、君はミシェーレさんの振りをした誰かってこと?」

「いいえカルマさん。まずその前提が違うのです。律さん」

『!は、はい』

「あなたなら可能なはず。ソフィー・ミシェーレのプロフィール、そのデータベースがいつから存在しているか。お調べになったのでしょう?」

『・・・はい。あなたがあまり殺し屋っぽく見えなかったので、個人的な興味で調べました。ソフィー・ミシェーレのデータ作成は二年ほど前、それ以前のデータは一切存在していません』

「!」

「え、それってどういう・・・」

「本当は別の用途で使用するつもりだったのですが、急遽この依頼が舞い込んできたためこのプロフィールを使用しました。元々ソフィー・ミシェーレという人間は存在しません。騙してしまってごめんなさい?」

「ソフィーさん・・・いえ、ではあなたの本当のお名前は?」

「業界ではソヴラーノの名で通っております」

「!!?ソヴラーノ!?」

「えっビッチ先生どうしたの急に!」

「ソヴラーノって言ったら、あ、あのイタリア最大マフィアと呼ばれるボンゴレファミリーの専属暗殺者じゃない!請け負った依頼は百パーセント遂行する、闇に紛れた完璧かつ美しい殺し方、何より痕跡を一切残さないその手口!誰も姿を知らない、ゆえの”支配者”の異名!そ、それなのに、あんたみたいな小娘が!?」

「小娘は余計です!それに専属とはちょっと違います、俺はボンゴレが有する暗殺部隊の一員ですから」

「お、おれ?あんたそんなナリして男なの?」

「おっと、変装してたの忘れてた。堅苦しい口調ももう疲れたし、・・・それじゃあそろそろ種明かしと参りましょう?」
ぶわり。

窓も開けていないのに室内に強風が舞う。思わず目を閉じて、暫くして風が止むと明けた視界に先程までは見受けられなかった鮮やかな蒼。
「改めまして、ボンゴレ独立暗殺部隊・雲の幹部、佐々間海如です。よろしくどうぞ、E組のみなさん?」
ウィンクを飛ばす姿は先程までの少女の容姿とは似ても似つかない。二の句を告げない僕たちを見て、彼女は愉快と言わんばかりに声を上げて笑っていた。
「で、では改めて新しく仲間になった佐々間さんです。み、みなさん仲良くしてあげてくださいね」

「よろしくでーす!」

「テンション高っ!」

「いやいややりづらいわ!今までの変装でしかも演技だったとか疑心暗鬼になるわ!」

「俺の、俺の美少女ソフィーちゃんが・・・!」

「おいおい失礼だぜ岡島くん、今でも十分美少女だろうが」

「し、しかも結構男勝りな口調なのね・・・」

「職場が男所帯だからねぇ」

「そう言えばさっきマフィアとか言ってなかった!?え、マフィアってあのマフィア!?」

「そうだよ不破さん、そのマフィア」

「本当にいるんだマフィアって・・・!血の掟ってマジであるの!?」

「あるある。俺たちは沈黙の掟と呼んでいるけどね」

「オメルタ・・・!かっこいい!」

「不破さんがめちゃくちゃ興奮してる」

「あの子ああいうの好きだもんね・・・」

「でも何で正体ばらしちゃったの?」

「だってイトナくんに見破られちゃったんだもん。うまく演じられてたと思ったんだけどなぁ」

「違和感があった。今はしっくり来てる」

「すごいなイトナ、俺も隣なのに全然気づかなかったわ」

「わ、私もです」

「そう簡単に気づかれちゃ俺の立つ瀬がないよ」

「まぁでも、正直ミシェーレさんの性格よりは今の方が取っつきやすくて良いかも。改めてよろしく、佐々間さん」

「よろしくー!まなみんもよろしくねぇ」

「はい!え?まなみん?」

「あだ名で呼ぶの好きなの~。いい?」

「は、はい。お好きなように」

「やったぜ。それからいとにゃんもよろしくね」

「いとにゃん・・・」

「ナ行ついてる子はにゃんをつけると決めている。かわいいだろ?いとにゃん」

「まぁ良いが」

「良いんだ・・・」

「カルマくんは何にしようねぇ。かるみゃん?」

「みゃん・・・もしかして佐々間さん猫好き?」

「めっちゃすき」

「よ、よく見たら文房具とかも猫グッズ多いですね」

「そーなの!この猫の手ペンケースとか超かわいかろ!日本の雑貨屋さんはかわいいのが多くていいねぇ!」

「肉球ついてる・・・」

「あの、そう言えばさっきの、ソフィーさんから一瞬で今のお姿に変わったじゃないですか。あれって変装だったんですよね?」

「うーん、まぁそんな感じかなぁ。詳しい事は言えんけど高速早着替えとでも思ってよ」

「背の高さも違ってたけど、暗殺者ってそう言うのも出来るようになる訳?」

「教える人によるんじゃないかなぁ。俺の先輩たちはいろんな事が出来るからね、いろんな事を教わったよ」

「独立暗殺部隊・・・つったっけ。かっこいー響き・・・あれ、ちょっと待って。幹部って言わなかったさっき?」

「言ったねぇ」

「暗殺部隊の幹部・・・てことは、お前相当強いのか」

「そりゃ弱かったら此処には来れないよ。一応暗殺も任務のうちではある訳だし。ま、俺が使えるかどうかはこれからの働きを見て判断してくれ」

「ふぅん・・・楽しみだな、佐々間さんの本気見れるの」

「まかせーい!とりあえず放課後にでもタコパしようと思うんだけど一緒にどう?」

「タコパ?」

「殺せんせーの触手の味が気になるので一、二本くらい切り落としてみようかと」

「・・・佐々間さんもしかして味覚がちょっとあれな人?」

「そんなことないよぉ」

「胡散臭い笑顔・・・」

「カルマには言われたくないな」

「い、イトナくんそれは失礼ですよ・・・!?」

「触手大漁」(びちびち

「うっわ、マジで切り落としてきたの?」

「さっきの攻防見ました、佐々間さん殺せんせーのスピードを見切ってましたよね・・・」

「動体視力には自信があるよ!タコパしようぜタコパ」

「あの、触手って食べられるんでしょうか・・・?」

「イケルかどうかは食べてみないと分からない!」

「そ、そんな良い笑顔で・・・」

「まぁタコみたいなもんだし味も同じなんじゃない?俺にもいっこ頂戴」

「いいよー」

「カルマくん勇気ありますね・・・」

「まなみんも食べようよぉ。多分腹は下さないよ、多分」

「あう・・・私は、遠慮しておきますぅ・・・」

「そう?残念」

(うまい)

(うーん、普通にうまい)

(めんたいネギうまい)

(わさびじょうゆもいける)

(ゆずメープルも意外と)

(イチゴジャムとしおからも良いね)

(かるみゃんも味覚あれじゃね?)

(佐々間さんよりはマシかなぁ)

(いえ、あの、どちらもちょっとあの・・・)

(気遣ってくれるまなみん天使)

ある日登校したら女子勢が男子勢を詰っていた。どないしたん?
「男子がうちらのスカート覗くとか言ってたのよ!」

「こんな機械まで作って!」

「ほほぉ。これいとにゃんが作ったん?凄いねぇ」

「ああ。皆と協力して作った。糸成一号はイタチにやられたが、また新しいのを作る。成功するまで何度でも」

「男の子はそういうの好きねぇ。うん、成功すると良いね」

「覗き成功させちゃダメでしょ!?」

「あはは、そうかっかしないでメグたん。思春期の男の子ってのはそういうもんだよ」

「だからって覗きなんて!ていうかメグたんは止めてほしいかな!?」

「かわいいからいいじゃん」

「私には似合わないし・・・!」

「似合ってる似合ってる。恥じること無いぜ男子諸君、異性の隠された部位に欲情するのは生物として当然のことだ。顔に出さなくとも女の子に興味を持つのはいい事だと思うよ。ねっ、ちーくん」

「俺に振らないでくれ・・・あとちーくんは止めてほしい・・・」

「千葉だからちーくん、かわいくていいだろぉ」

「可愛くなくていい」

「つれないなぁ」
「やはりメイドと言えば短いスカートだろう」

「いやいや本来のメイドは長いスカートでクラシカルな雰囲気。露出もいいが古風で上品な雰囲気もベネ」

「一理あるね。けどメイド喫茶ではあまりそう言うのは見かけないよ」

「モエモエなメイドさんが圧倒的に多いもんねぇ。俺この間良さげなとこアキバで見っけたよ、今度孝ちゃんも一緒に行かない?あそこ絶対気に入ると思う」

「それは興味深いな。是非連れて行ってもらいたいな」

「いこいこ!誘いたい子いれば誘ってよ、人数多い方が楽しいし」

「じゃあ寺坂くんとかどうかな」

「ああ〜メンバーズカード作るぐらいハマってるらしいね。よいよい、テリーも道連れな」

「きっと喜ぶと思うよ」

「テリーああ見えて好きだもんねぇそういうの・・・好き者(悪い意味)」

「好き者だね(悪い意味)」

「聞こえてんぞテメーらッ!!!」

「聞こえるように言ってんだもんねぇ」

「実際好きだろう?メイド」

「すっ・・・好きじゃねぇよ!!」

「こちら二日前こそこそとお気に入りのメイドちゃんのいるメイド喫茶に足を運ぶテリーの写真」

「何で撮ってんだよテメェッ!!どこから見てたんだ!?」

「どこからでも・・・そう、あなたの傍にいつでもアサシーノがいる事を忘れてはいけない・・・」

「決め顔で言うなッ!!」

「ついに竹林と佐々間さんにまでおちょくられる寺坂」

「あいつすっかりメイド喫茶にハマったな」

「ていうか佐々間さん外国育ちの割に日本文化詳しくね?」

「アニメとか漫画とか好きらしいよ」

「もしかしてオタク・・・?」

「メイドはいいぞ」

「だからドヤ顔やめろ!腹立つ!!」

「メイドは・・・いいぞb」

「しみじみ言うな!親指立てんな!!」

「テリーツッコミ大変ね」

「誰のせいだよ!?」

「よかっただろ・・・ロングスカートなクラシックメイド・・・」(そっ

「思わずポイントカードを作ってしまうくらいにはね・・・」(そっ

「うるせぇ!寄り添うな!」

「やっぱりメイドはいいぞ。俺あのロングヘアーのまりあちゃん好みだわ」

「僕はショートヘアのゆりあちゃんかな。寺坂くんは?」

「俺はツインテのろん・・・じゃねーよ言わせんな!」

「ろんちゃんか。あの子も可愛かった。そしておっぱいが大きかった」

「巨乳好きか・・・」

「巨乳はいいぞb」

「うるせぇよ!!!」

「結局行ったのか、メイド喫茶」

「そんでまたいじられてるし」

「巨乳はいいぞb」

「止めなさいイトナくん」

「男はみんな巨乳好きだろ?なぁ前原」

「そうだな岡島。巨乳はいいぞb」

「もうやだコイツら」
(ちっぱいもいいぞb)

(止めなさい佐々間さん!)

(メグたんこわい)

(メグたん言うな!)

「ジャスティス?凄い名前だねぇ」

「うう・・・やっぱ佐々間さんもそう思う?」

「漢字に横文字当てなくてもねぇ。最近の日本は・・・何だっけ、キラキラネーム?そう言うの流行ってるんだっけ」

「まぁな〜・・・」

「でも佐々間さんもキラキラだよね?」

「あーね、"如く"を"こと"って呼んでるからね。そういうかるみゃんだって」

「俺はこの名前気に入ってるし」

「俺も気に入ってるよぉ」

「俺は気に入ってない・・・はぁ、もっとまともな名前が良かったなぁ」

とか何とかで、コードネームをつける事になったらしい。

「バカなるエロのチキンのタコわろたwww」

「笑わないでください佐々間さん・・・」

「カッコつけようとするからそうなるんだよ、先生の名前も皆に付けてもらったのから選べば良かったのに。ちなみにビッチ先生をビッチビチと名付けたのは俺です」

「アンタか!!!」

「ビチビチビッチ」

「生きのいい魚みたいですねぇ」

「俺のコードネームもあれだけどな。誰がイタリア製日本オタクだ」

「割と合ってるのでは?」

「インパクトが弱い!もっとぶっちゃけてるのがいい!」

「ああそっちですか・・・」

「しかしまーしーもスッキリした顔してたし、先生の授業今回も上手く行ったみたいね」

「ヌルフフフ、そうですねぇ」

「あ、間違えた」

「?」

「バカなるエロのチキンのタコ」

「言い直さないでください!」

「バエチタ」

「略さないで!!」
悠ちゃんのバイトがA組の連中に見つかって喧嘩を売られたそうだ。体育祭の棒倒しで勝たないと行けないんだって。何か手間ね。

「目撃者に背後斜め四十五度から手刀ぶち込んで該当する記憶を消した方が早くね?」

「それが出来んのは凄いな!?」

「いやでも暴力に訴えるのはダメなヤツ!!」

「律儀だなぁ君たちは。まぁあれだぜ、万が一負けてもA〜D組の連中記憶操作して全部無かった事にも出来る。気負わず勝負受けてやればいいさ」

「佐々間さんは何でも出来るんだな・・・ありがと、でもそうならないように俺たちで頑張るよ」

「おー。ま、心配いらないと思うけどなぁ。悠ちゃんもそうだし、他の皆もきっちり鍛えてきてるじゃろ。努力は無駄にならないぜ」

「・・・ああ。ありがとう」

「男子勢おつかれちゃーん!いとにゃん大活躍〜!最高にクールでハイパーにかっこよかったぜフゥッフゥ〜↑↑ σ°ω°)σ」

「佐々間のテンションがウゼェ」

「そう言うなよ寺坂・・・」

「A組に勝ったから悠ちゃんの件も不問だろ?よかったなぁ。悠ちゃんもお疲れ」

「ああ、ありがと佐々間さん。記憶操作の手間かけないで済んだよ」

「はは、そうかね。・・・素晴らしいチームプレイだったぜ。皆の日頃の努力の賜物だなぁ」

「だな。ほんと、皆には助けられてばっかりだ」

「普段君が助けてる側なんだし、たまには甘えたって罰も当たらんさ」

「そうかなぁ?」

「そうそう。殺せんせーにだってそんな感じのこと言われただろ?それに、」

「?」

「・・・いや。兎に角お疲れさん!パン食い競走で余ったパンくれるっつってたから持って帰るといいぞ」

「!ああ!すげー助かる!」

「いいなぁ」

「何がです?」

「・・・独り言だぜ殺せんせー」

「すみません、聞こえてしまったもので」

「大した事ではないんだが」

「はい」

「チームというのは、いいものだなと」

「そうですねぇ」

「時には手を差し伸べ、時には助けられ。お互いを思い合う平等な関係だ、羨ましいねぇ」

「何を他人事のように。君もこのクラスのチームメイトなんですよ?」

「チームメイト、か」

「ええ」

「先生」

「はい」

「俺は学ばねばならない。故にここに来た」

「・・・ええ。あなたは勉強はよく出来ますしいろんな才能に満ちています。そのための努力も怠らない。しかし、足りないものがある」

「ノーノはそれを知っていた。だから俺に命じた、このクラスに転入するようにと」

「ボンゴレ九代目は、あなたの事を大切に思っているのですね」

「そうなのかな。・・・先生、俺は」

「はい」

「・・・此処に来れてよかったと思っているよ。まだ一月も経っていないけれど、此処には優秀な同業者がたくさんいる。学ぶ事も、多い」

「そうでしょう。みんな私の自慢の生徒です」

「先生の授業も楽しいしな。ねぇ、今度絵画教えてよ。俺絵描くの好きなんだけど、折角だから先生の似顔絵描きたいな」

「おお、それは嬉しいですねぇ。では菅谷くんも呼びましょう、彼の独創的なセンスはいいインスピレーションを与えてくれるでしょう」

「そりゃいい。すがにゃーのセンス好きだぜ、俺。・・・先生は、いつかこのクラスからいなくなってしまうのだろうね。暗殺されるにせよ、寿命で死んでしまうにせよ」

「そうですね。その前に、皆さんに・・・君にも、いろんなことを伝えたい」

「あと半年もないものなぁ。恋バナもしようぜ、先生。あとクラスの連中くっつけようぜ」

「おお、それは素晴らしい提案です!ヌルフフフ、先生こう見えて恋愛とかそう言うのに目がないんです」

「知ってる」

「ついでに烏間先生とイリーナ先生もくっ付けてやりましょう」

「あの二人お似合いだもんねぇ。数年後とかに多分結婚してるぜ」

「そうなるといいですね」

「そういう"未来"の為に、やっぱ地球は破壊させられないや。必ず殺すから、待っていて」

「ええ。楽しみにしています」

「それまでは、たくさん思い出作らないとね」

「勿論です」

たくさん学びなさい。

ノーノ、あなたはそうおっしゃった。
俺はそれが今後の仕事に役に立つと思って了承した。

けれど、どうなのだろう。本当は仕事とかそんなんじゃなくて。ノーノ、あなたは。
「未熟な俺のために、学ぶ機会を与えてくれたのかな」
答えは分からない。
腹の中にいろんなものをしまってしまうあの人は、どうせいつものように笑って誤摩化すのだろうから。
 

関連記事